プロフィール
*指導者* 真梶節子
幼少の頃よりヤマハ音楽教室、カワイ音楽教室、個人のピアノ教室などでピアノを習う。
県立東葛飾高校、吹奏楽部に所属。
大学受験期には、ピアノを当時流山市富士見台在住の西静子氏に師事。
東京学芸大学 教育学部中等教育教員養成課程 音楽科専攻。
ピアノを上田順氏に師事。
中学校教諭一種免許状(音楽)、高等学校教諭一種免許状(音楽)、小学校教諭二種免許状取得。
千葉県流山市、柏市、我孫子市の小学校教諭として、30年余にわたり音楽を教える。
千葉県流山市富士見台の自宅にて、音楽教室を開講。
*メッセージ*
「小鳥が飛んできて、木の枝にふわっととまった感じです。」
小学校1年生の男の子が
鍵盤ハーモニカで自分が吹いたメロディについて説明してくれた時の言葉です。
「そっかあ。」「なるほどねー。」
そんな言葉とともに、教室にあたたかい笑顔が広がりました。
それは、ほんの数秒のさりげないメロディ(?)でしたが
すばやく優しく音を鳴らすために
彼は何度もいっしょうけんめい試していました。
まだ、鍵盤ハーモニカを習い始めたばかりの「音楽づくり」の授業での出来事は
忘れそうになっていた音楽の原点を教えてくれた懐かしい思い出です。
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私は「好きな音楽の勉強をしたい。」という理由だけで大学に進みましたが、音楽教育の自主ゼミで、マーセルの「音楽教育と人間形成」やジョン・ペインターの「音楽の語るもの」、シュタイナーやダルクローズなどの考え方について自分たちで調べ議論し合い、音楽に対する考え方が180度変わるほどの影響を受けました。
中でも、後に鳴門教育大学の教授となった西園芳信先生が、熱い言葉ですべての人々にとっての芸術教育の大切さを語っていた姿は忘れられません。
「音楽を教える仕事に就きたい。」という大きな夢を持つことができました。
自分なりに理想を持って小学校の音楽の先生となった私に、当時の校長先生は「音楽の好きな子を一人でも多く!」という言葉で励ましてくださいましたが、それはまた、その頃の音楽の授業が技能を習得する内容に偏っていたことから、音楽嫌いの子が多く存在することに問題意識を向けさせてくれるものでもありました。
時代は進み、学校教育の音楽科の授業ではそれぞれの子どもが自分なりの思いや考えを持って表現することを尊重し、予測できないような勢いで変化していく社会に柔軟に対応していくための、音楽的な見方や感性を育てることが目的とされるようになりました。私たち大人は「音楽」というと知らず知らずのうちに、「うまい、下手」「向いている、向いていない」「才能がある、ない」などの言葉で子どもを評価してしまうことを反省しなければならないと思います。
音楽の授業や吹奏楽部の指導などで子どもたちと向き合い、私は多くのことを学ぶことができました。
子どもは自分なりにはっきりとした目的を持つことができれば、納得するまで課題に取り組もうと頑張ること。成長するにつれ、他人と比べ評価を気にして自分を素直に開放できなくなるけれど、「自分を表現したい」「できるようになりたい」気持ちは変わらないこと。
一筋縄ではいかない個性豊かな子どもたちに、あの手この手と悩む毎日でしたが、苦労を共にした多くの先生方からも助けられ学ばせていただき、今ではこの経験こそ机上では得られない貴重な財産だと思っています。
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大学生の時、西園先生がこんな言葉を教えてくださいました。
「科学は存在への道筋であり、芸術は存在そのものである」
一輪の花が咲いています。その花について、育てたり手に入れたりするための情報を得ること、植物学的な知識、値段、売っている場所を知ることなどが、科学。
花そのものの良さ、その赤い色の深さや形の美しさを自分の中に感じ、受けとめ、理解することが、芸術。
人の幸せにとって、どちらも大切であることがわかります。
今、世の中に膨大な量の情報があふれ、人々は情報を得ることによって、どんなものでも楽に早く手に入れることを求めています。欲しいものは簡単に手に入れられる時代になってきました。でも、それだけで人は満たされることができるでしょうか?
「芸術なんて」と構えてしまいがちですが、人々は古くからどんな時代にも身近に親しみ大切にしてきました。例えば、美しい音で表現するためにコツコツと楽器の練習に励むこと。音楽の楽しさを仲間と共有し合うこと。対象物をじっと観察し自分らしく絵を描くこと。
進歩や変化が目覚ましい現代だからこそなおさら、時間をかけてしっかりと自分に向き合い、自ら表現することの難しさや楽しさを感じ心を耕していく。その経験は、優れた芸術品に感動する心のみならず、一見何気ない小さな歌や絵や写真にも価値を見出す力を養ってくれます。そして、知らず知らずのうちに毎日の生活の中で出会う小さなものの中にも美しさや意味を感じ取る感性を育み、自分や他の人の存在を大切に思う気持ちを生み出し、本当の豊かさを享受できる力を与えてくれるのではないかと考えています。
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私は小学校入学前からピアノを学んできましたが、中学校、高校と吹奏楽部ではクラリネットを吹き、大学のサークルではバイオリンを少しだけ経験し、他にも和楽器に至るまで色々な楽器に触れてきました。どの楽器にもそれぞれのすばらしさと奥深さがあり、体験してみることで音楽の味わいをいっそう広げてくれました。
その中でも、1人で演奏を楽しみ音楽の基礎を広く学ぶには、ピアノが適しているように思います。一人でも豊かな響きを味わえるこの楽器からは、私自身これからも尽きない喜びを与えてもらえることでしょう。
これまで出会った多くの子どもたちの笑顔に感謝し、ピアノに向き合おうとしている皆さん一人一人に合った方法を見つけ、お手伝いしたいと思います。
音楽で自信をつけて他の教科にも積極的に取り組めるようにしたい。音楽は苦手だけど、ピアノなら音を出すのも簡単そうだからやってみたい。頭と体を同時に使って楽しく老化防止に努めたい。きっかけは何でも良いのです。
特別な力を身につけるのではなく、これから続く普段の生活の中でもっと音楽を楽しめるようになっていただけたら、そして、ピアノのレッスンを通して音楽のすばらしさを一緒に感じていけたら、こんなに嬉しいことはありません。